2007年10月19日
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戦前の少年犯罪 管賀江留郎 築地書館

Written By: 川俣 晶連絡先

 以前から、日本の「昔」に言及する人達のほとんどが、実はろくに「昔」のことを知ってなどおらず、自分に都合の良いフィクションを述べているに過ぎない……という苦言を(世の中のほんの片隅でごくたまに小さな声で)述べていましたが、割とそれと近いニュアンスの文章を目にしました。

 以下です。

管理人の本が出ます。

より

こういう事件データをやたらと集めているのは、戦前のひどさに驚いていただきたいわけではなく、ちょっと調べればわかるこの程度のことさえ知らないような人々が偉そうに日本について語ったりしている現状に大いに驚いていただきたいわけなのです。

戦前がよかったと云ってる輩だけではなくて戦前はひどかったと云ってるような輩も、ほんとにな~んにも調べていない。そのへんの低レベルのウヨサヨだけではなく、立派な学者先生なんかもまあおよそまともに調べようともしていないというのはあまりにも異常な事態です。

こんな最低限の基本的なところさえ抑えていないのでは、戦後に膨大な数が積み上げられてきた日本論のたぐいはすべて根拠のないでたらめだったと云っていいと思います。宇宙人の電波を脳内で受信してわけのわからないことを口走ってる人とまったく同じなのです。いや、冗談ではなく、ほんとにそうなんです。

 実際、「宇宙人の電波を脳内で受信してわけのわからないことを口走ってる人とまったく同じ」という表現は、けして誇大な誇張ではないと思います。ちょっとは誇張しているとおもいますが、過大な誇張ではない。

 それぐらい、歴史に関する語りの質は低いのが現状だと思います。

 更に言えば、そのような質の低い「語り」の障壁を突破した向こう側にある「歴史」は意外性に富んでダイナミックでとてもエキサイティングだと思います。SFよりも突飛で意外性に富んでいます。

 まあ、私レベルの歴史ミーハーが偉そうに語る話ではありませんが。

 興味を持ったので、さっそくこの本を予約してみました。

 ……ちなみに、この手の話は表面的にトンデモさんと大差なく見えてしまいかねない点が問題かな。世間の常識に反する突飛な語りであるから。

 本書の感想ではありませんが、読んで思ったことを書いた文章。お暇ならこちらもお読みください。